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『ふふ、あの青狐。やっと言いよったか』
『遅いなの…』
居間の光が差し込む寝室の中、起きている乙美とマリモがくすくすと笑っている事も知らず、紬と佑は生涯の絆を誓い合った。
(結婚…かぁ。いつになるのかしら)
真夜中の月明かりの下。
皆が寝たのを確認して、紬はコッソリ縁側に座った。
涼しい風が頬を優しく撫でる。
佑が言ってくれたこと。
私は一生涯忘れることは無いだろう。
また思い出し、一人頬を染めた。
だが、幸せに浸っている紬は気がつかなかった。
制止していた、闇の歯車が少しずつ動き出した事に――…。
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