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「じゃあ、紬は死んだというの?」
退魔師という者に殺されて。
そう言うと、一瞬佑の顔に影が差した気がした。だが、それは気のせいだと言うように元の顔に戻ると、「そうなんじゃねえの?」とぼそぼそと呟く。
ははーん。わかったわ。
「アンタ、紬の事好きだったでしょ?」
「は??」
これは、急展開についていけないじいちゃんとお母さんの惚けた声。
すると、みるみる内に顔が真っ赤になっていく佑。
茹で蛸を通り越して熟したリンゴのように真っ赤だ。
これは…当たったわね。
心を悪魔に売った私。これは一種の交流よ。
「て、め。何言ってんだよ」
真っ赤になって、口が回っていない様子。さっきまでの威勢はどこへ行ったのかしら。
「じゃあ、何?アンタも間違えたこの紬そっくりな顔に“大嫌い”って叫べば?」
「こんの…小童め…」
歯ぎしりして悔しそうにしている佑を、見下している吹雪。
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