2.記憶の断片と小妖怪

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真っ暗な闇。 鳴り止まない風。 古い民家の影に隠れた…傷だらけの妖怪二人。 二人を追い詰めるように立ちはだかる一人の男。 「今から…お前らを退治する」 その声は…重く、言霊のように耳に纏わり付く。 二人の妖怪の内、一人の金色の狐が青い狐を守るように抱きしめる。 「やめなさい。あなたのしていることは、間違っている」 青い狐は重傷のようだ。金色の狐を見上げながらも苦しそうにもがく。 「何が間違っているというんだ?俺は…これが使命なんだ」 悲しそうに目を伏せたのも一瞬の時。 二人を敵と見なしたその瞳には、一切の迷いも見えなかった。 男が何かを唱え、指に術をかける。 そして、そのまま術を二人へと投げつけた。 「や、やめろぉぉぉぉっ!」
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