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真っ暗な闇。
鳴り止まない風。
古い民家の影に隠れた…傷だらけの妖怪二人。
二人を追い詰めるように立ちはだかる一人の男。
「今から…お前らを退治する」
その声は…重く、言霊のように耳に纏わり付く。
二人の妖怪の内、一人の金色の狐が青い狐を守るように抱きしめる。
「やめなさい。あなたのしていることは、間違っている」
青い狐は重傷のようだ。金色の狐を見上げながらも苦しそうにもがく。
「何が間違っているというんだ?俺は…これが使命なんだ」
悲しそうに目を伏せたのも一瞬の時。
二人を敵と見なしたその瞳には、一切の迷いも見えなかった。
男が何かを唱え、指に術をかける。
そして、そのまま術を二人へと投げつけた。
「や、やめろぉぉぉぉっ!」
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