1.現れた狐

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「おはよ」 私は高校2年生になった。 もちろん、生まれつきの碧い目も変わることはないし、神社でお祓いの仕事をたまに手伝ったりしている。 「あら、吹雪。おはよう」 お母さんがキッチンから顔を出した。 トーストを焼く香ばしい匂いが鼻をくすぐる。 私は鼻をクンクンさせ、鼻一杯に香ばしい匂いをため込んだ。 「今日もトースト?」 確か昨日もだった気がする。 「あら?昨日は卵のせだったでしょう。今日はジャムよー」 やっぱトーストじゃないか。 この母親は料理が苦手で、よくトーストを焼いているのだ。 得意料理はなんですか? と、問われたら、「トースト!」と元気よく言えるくらい毎日トーストを焼いている。
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