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朝っぱらから俺は吹雪と喧嘩して、突き落とされてしまった。
まあたかが階段くらいだし、大妖怪の俺様が怪我をするなんてありえないこと。
仰向けで天井を見つめながらそう思った。
アイツ…ちょーっと着替えてる所覗いただけなのにこの仕打ち。まだ紬の方が絶対優しかっただろう。
でも…
「…やっぱ、紬の技だよ、な」
思わず口から溢れた。
何故俺がここに倒れているのかというと、吹雪が突き落とした訳ではないのだ。吹雪が俺に向けて腕を伸ばした時、光った光。
あれの威力で今、俺はここにいるのだ。
確かあの力は、紬が危険を察知して時、自動で発動する技だったはず。何百年前もたくさん受けたなあ。まさかまた受けるとは思ってなかったけどな。
ふう、と自分を落ち着けるように一息ついた。
「行ってきます!」
吹雪の声が聞こえたと思うと、ガチャリと音が聞こえた。
さっき行ってたがっこぉと言うところにべんきょぉしに行くんだろうな。
俺には何するか意味不明だがな。
「あら?佑くん。どうしたのこんな所で寝そべって」
吹雪の母親が顔を出した。
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