第1話

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「うおりゃあああああああ!」 大声と共に地響きがしたかと思い、後ろを向くと、倉庫がありえないほどに揺れていた。 まるで、かの有名な、海の生き物の名前が出てくる、国民に人気のアニメのエンディングのようだ。 「わ、わしの倉庫があ~…」 じいちゃんも後ろの剣幕に気づいたようで、顔を青ざめさせ、揺れる倉庫を見ている。 もう少し持って、ボロ倉庫。 と思ったつかの間、倉庫の壁は吹き飛ばされた。 「!!」 思わず目を瞑る。 ものすごい風がこの神社の敷地内を襲う。まるでここだけに竜巻ができたよう。 吹き飛ぶ倉庫の壁、天井。 風が吹き止み、ゆっくりと目を開けると、ある場所にあったはずの倉庫は跡形も無く消えていた。所々に中に入っていた物の残骸が見える。 元は倉庫があった場所の中心辺りには、猫耳男。 キョロキョロと辺りを見回し、私とじいちゃんの存在を目にすると、ニヤリと笑った。 「ヒッ。気づかれた」 よいしょ、とじいちゃんを担ぎ直し、目の前の玄関に向かって歩く。 ちらりと後ろを向くと、こちらに向かってくる奴。 「ふ、吹雪。追いつかれるう」 頼りなく小声に言うじいちゃんに「ちょっと黙ってて」と指摘すると、シュン…としおれた植物のようにうなだれた。
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