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まだ出て行ってそんなに時間は立っていないはず……、こんな田舎の町から移動するには、金銭的に電車以外ないだろう……。
そう考えた敏明は一番近い駅へと走っていった。
駅へ着くと、ワンマン電車がホームへ到着するところだった。
その一瞬の隙間からホームに立つ彼女の姿を確認すると、大声で叫んだ。
「待ちなさい!!!」
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ふと耳に届いた良く知る声に私は聞こえない振りをすると、急いで電車の中へ駆け込んだ。
お兄ちゃんが必死に階段を登る姿に、早く出発して……と心の中で必死に祈っていた。
出発のアナウンスが車両へ響きわたりほっと息を吐くと、扉が閉まる瞬間、車両の中へとお兄ちゃんが駆けこんでくる姿が映る。
そのままお兄ちゃんはこちらへ走ってくると、私の腕を強く捕らえた。
「お兄ちゃん……どうして……」
「当り前でしょ!!あなたは……私の大切な妹なんだから!!!」
「違う……違うよ……私は……」
「血がつながっているとかそんな事じゃないの!!今までずっと一緒に過ごしてきたじゃない!!」
私は傍にあった手すりを強く握りしめ俯くと、声を絞り出すように語り掛ける。
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