短編

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お兄ちゃんは私の一つ年上で同じ高校に通っている。 私はこの春から高校2年生となりお兄ちゃんは3年生になった。 頭もよく、格闘技をやっている為か運動神経も抜群の自慢の兄だ。 さらに顔立ちも整っており、身長も高く黙っていれば女子からの人気の強い男子高校生なのだが……。 なぜかしゃべり方がオネェ言葉なのだ。 喋らな刈れば女子からキャーキャー騒がれる存在のはずなのに……もったいない。 そんなお兄ちゃんに、どうしておネエ言葉なの?と昔に聞いてみたこともあるが、軽くはぐらかされてしまった。 毎日お兄ちゃんと一緒に学校へ登校し、授業を受け、友達とくだらない事で笑ったり、恋ばなに花を咲かせたり、テストの点に一喜一憂したり……。 これが私の日常だった。 あの日が来るまでは……。 春も終わりをつげ、暑い暑い夏がきた。 いつものように朝起き、リビングへ向かうと、お父さんとお母さんは旅行バックを持って玄関の前にたっていた。 「ふふっ、二人で旅行にいってくるわ!後の事はよろしくね~」 そう私とお兄ちゃんに話すと、二人は車で出掛けていった。 あの様子だと一週間ほど帰ってこないだろうな。 そんな事を考えながら二人を見送ると、お兄ちゃんに視線を向けた。     
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