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「ねぇ!今日は夜更かしして一緒に映画でも見よう!」
私がそう話すと、お兄ちゃんはいいわよと優しく微笑み返してくれた。
その日私は学校が終わり、お兄ちゃんと一緒に帰るため学校で待っていると、ピロンッと音がスマホから響き、お兄ちゃんからメッセージが届いた。
(ごめんなさい、ちょっと時間がかかりそうなのよね……先に帰っていてくれる?)
私はわかったと返事を返すと、一人家路へと向かった。
途中コンビニに寄り、今日映画を見る時に食べる為のお菓子屋ジュースを買っていく。
右手に学校のカバン、左手にビニール袋を下げたまま家に着き、カギを取り出し扉を開けようとすると、なぜかカギがかかっていなかった。
あれ……朝、閉め忘れたのかな?
ゆっくり扉を開き玄関を覗くと、夕日が差し込んだ廊下がなぜか不気味に映った。
靴を片づけ、中へ入ると、リビングの方で何か物音が聞こえる。
お兄ちゃん先に帰って来ているのかな?
「おにいちゃん……?」
声をかけながらリビングを覗き込みそう声を出した瞬間、後ろから誰かの腕がのびてきた。
咄嗟に逃げようとするが……時すでに遅し、私は体をバランスを崩すと、フローリングへと倒れ込んでいく。
すると横たわった私の上に、誰かが覆いかぶさってきた。
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