95人が本棚に入れています
本棚に追加
驚き顔を上げると、そこには口元には大きなマスクにサングラス……ニット帽をかぶった小太りな男が私をじっと見下ろしていた。
私は見知らぬ男の姿に状況を把握すると、ガタガタと体を震わせた。
なに……強盗……!?
馬乗りになった男は徐にマスクを外すと、床に寝そべった私を見てニヤリと笑みを浮かべる。
そのままゲスな笑い声をあげると、徐にスカートの中へ手を忍ばせてきた。
やだっ!怖い……怖い……どうしよう!!!
私は必死に男から逃げようともがくと、男はキラリと光るナイフを取り出し、私の瞳の前に突きつける。
鋭いナイフを目の当たりにすると、恐怖のあまり声を出すこともできず、体が氷のように固まった。
ヤダ、ヤダ、ヤダ、ヤダ……!!!
男はナイフを翳したまま舌を舐めずると、またスカートへと手を伸ばし始める。
露わになった太ももを、いやらしく触る男の手の感触にゾワゾワと全身に鳥肌がたった。
そんな中、ゆっくりと近づいてくる男からふと懐かしい香りが鼻を掠めると、フラッシュバックの様に、何かが脳裏を過る。
私……しってる……これ……前にも……。
「うそ……あなたは……」
口からこぼれ落ちた言葉に、今まで忘れていた記憶が鮮明に蘇ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!