タカイ宝飾時計店

5/5
前へ
/5ページ
次へ
あれから何年たったのか? 銭湯がコンビニになり。 ちょっとずつちょっとずつ 町の様子は変わっていく。 今年の桜は あっという間に満開になって、あっという間に散ってった。 寒い寒いとコートにしがみついて居た時にはいつもと同じだったはず。 ガラスの扉に金の文字。 ゴミの袋とおじいさん。 タカイ宝飾時計店 桜が全部散った頃、 通りすがりにまたチラ見。 中は真っ暗、がらんどう。 コンクリートがむき出しで、 綺麗さっぱり何もナシ。 ガラス扉に剥がされた痕(アト) 白くぼんやり残ってる。 「タカイ宝飾時計店」 どんな時計屋だったのか… 時計や宝飾品がお店をかざっていた時は、 たくさんの店が並び、たくさんの人が行き交い。 さぞかし賑やかだったろう。 今はただ、 デイサービスの送迎車が行き交う 静かな住宅地。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加