桜の下で笑おう

11/11
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
奈桜人は見ず知らずの私に笑って欲しいなんて言うお人好しだ。 ただ単に軽く彼女が口にした願いを叶えようとしただけかも。 「笑うって約束したんだもんね。 私、笑ってるよ。 奈桜人、見てる?」 必死に笑顔を作りながらも、涙は次々に頬を伝い落ちていく。 ひとしきり泣くと、私は涙を力強くぐいっと拭った。 桜が散ってしまったら、この恋は忘れよう。 そして奈桜人が望んだように笑って歩いていく。 【終】
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!