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2人はこう言って、笑った。
そして、(肝心の)ショッピングが始まった。
「あ、これ、かわいい!
あ、これも、超かわいい!」
麻衣のリアクションを見て、やっぱり麻衣は女の子なんだな、健吾はそう思った。
そして、健吾の方も、夏仕様の、リネンのカーゴパンツなどを買い、その日はお開きとなった。
「今日は、本当に楽しかったね!」
「そうだね、麻衣!また、来ようね!」
2人はそう言って、家に帰った。
このように、2人はお互いの好きな話をしたり、好きなものを見たり、好きな所に行ったりして、お互いを大事に思いながら、楽しく過ごした。そしてその時間は、お互いにとって、かけがえのないものになっていた。
そして、2人が付き合い始めてから、2016年の9月で、2年と3カ月に、なっていた。
「旅行、計画立ててくれて、本当にありがとう、健吾!また、一緒に旅行に行こうね!」
「うん、僕も楽しかったよ、麻衣!」
2人はこう言い合いながら、その日はお互いの家路についた。
そして、麻衣が一人暮らしのアパートに着き、ポストを開けた時、1通の手紙が、そこに入っていた。
それは、切手も宛先も差出人も、そして宛先の住所もない、変わった手紙―。
麻衣はそのことを不審に思いながらも、手紙の封を開け、中身を読んだ。
―親愛なる舞(まい)へ
今日は楽しく過ごせたかな?僕のプレゼントが、楽しいひと時の一助になれば、幸いです。
今日は、このくらいにしておきます。
あと、最近僕、詩を書き始めたんだ。
タイトルは
『鳩と平和』だよ!
またね!
孝介より―
『…孝介って誰?それに、舞って誰?もしかして、『まい』違いで宛先、間違えた?
いやでもそれはさすがにおかしい。それに、宛先の住所も切手もないなんて、不自然だ…。』
麻衣はそう思ったが、その日は楽しかった旅行のこともあり、この手紙のことは、深く考えずに、すぐに眠りについた。また、誰かが間違えて、自分の所のポストに手紙を入れた可能性もあるため、麻衣は手紙を、机の引き出しに丁寧にしまい、その日は休んだ。
第二章 相川グループ
「へえ~。麻衣、新しいバイト、始めたんだ。」
「うん。ちょうど昨日からなんだけど、やっぱ新しい所って、緊張するね…。」
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