第1章

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 ―今日から、大野優くんと、付き合うことになりました!優の告白よりちょっと前から、私も、優のことが好きだったから、本当に嬉しいよ~!これから、よろしくね優。  なんか、私、日記を書くのって苦手だけど、これから、優との思い出を、自分の字で残していきたいから、何かあったら書くことにします。頑張れ、私!  でも、SNSにアップするのと、こうやって、手書きで書くのって、違う気がする。なんか、手書きの方が、あったかい、っていうか…。うまく言えないけど、私、日記書くのにハマりそう!  以上、優と付き合い始めた初日の私の独り言でした!  PS ちなみに、今日の私の気分は、ブルー!って言っても、気持ちが落ち込んでるブルーじゃないよ。実は私、本当にブルーが好きなんで、今日みたいな日には、ブルーの服を着たくなっちゃいます。だから、優に告白された時も、ライトブルーのブラウス、着てました!もちろん、これは勝負服だよ!だって、優が、 「大事な話がある。」 って、呼び出すんだもん。―  それを読んで優は、史香に告白した時のことを、思い出した。その時優は、史香への告白を控え、どんな格好で、史香と待ち合わせをしているレストランまで行こうか考え、散々迷った挙げ句、きめ過ぎず、カジュアル過ぎずの服装にしようとした。そして、グレーのテイラードジャケットに、白のカットソー、そしてそれに濃紺のデニムパンツを合わせて、優なりの勝負服を完成させた。  また、優は今でも、その時の史香の服装を覚えている。史香は、日記に書いてあったブルーのブラウスに、白のスカートを合わせ、また少し高めのヒールのパンプスを履いていた。そして、普段なら少し幼く、そして可愛らしく見える史香であったが、この日はそんな服装のため、優に、いつもより大人っぽい印象を与えていた。  しかし、優は史香の日記を読むまで、史香の方も、優の告白に備え、勝負服を着ていた、ということは知らなかった。そして、そのことを知って優は、とても嬉しくなった。 「どうせなら、教えてくれても良かったのにな。」 優は、そんなことも思った。  そして優は、次のページをめくった。  ―今日は優と付き合い始めてから、3回目のデートです!とはいっても、優とは、サークルで顔を合わせて、話もしてるから、もっと頻繁に会ってるんだけどね。でも、やっぱり2人きりのデートは特別。
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