第1章

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その質問は、冷静な面もある美月らしい、質問であった。 「そうですね。その質問には、答えないといけませんね。  実は、僕たち、付き合っているんです。」 「えっ!?」  悠馬の返答は、美月を困惑させた。 「付き合って…いる?あなたと私が?」 「はい。さらに言えば、先に声をかけてきたのは、美月さんの方です。そして、告白も美月さんからでした。」 「…はあ。」  美月の頭の中は、完全に混乱していた。 『未来の私は、この、中谷悠馬さんに自分から声をかけ、告白もした。中谷さんは、確かに顔はかっこいいし、紳士的な感じもするけど、私のタイプとは少し違うような…。  でも、未来の私は、この人に惹かれたんだろうか?』 美月は、頭の中で思いを巡らせていた。  「まあそういうことなんで、これからよろしくお願いします。  あと、やっぱり僕って、魅力的なんですかね?」 「…はい?」 美月は悠馬の次の言葉を聞いた瞬間、またも耳を疑った。 「…魅力的かどうかは、分かりませんが…。」 「でも、やっぱり声をかけられる、ってことは、魅力的、ととってもいいですよね?どう思います?」  突然の悠馬の発言に、美月は苛立ちを隠せない。 「あの…、そういうことは、口に出して言うことではないと思います。」 「すみません、僕、自分に正直なものですから。」 「…は?」 美月は、呆れてものも言えなくなりそうだったが、悠馬に一言、言ってやることにした。  「あなた、確かに長身で、顔もいいかもしれませんが、そんなことばっかり言ってると、女の子に嫌われますよ。あなたみたいなナルシスト、私は興味ありません。  では、未来にでもどこにでも帰ってください。  さようなら。」  そして、美月はその場を立ち去ろうとした。  「ちょっと待ってください。僕は、あなたに用があって、はるばる未来から来たんです。」 「ああ、確かにさっき、『よろしくお願いします。』って、言われてましたね。  でも、私は、あなたなんかに用はありません。」 「まあそう言わずに。  …分かりました。では、こういうのはどうでしょう?  僕と、賭けをしませんか?」 突然の悠馬の提案は、美月をさらに困惑させた。  そして、この出会いが、「未来」の美月だけでなく、「現在」の美月にとっても、運命の出会いとなることを、美月はこの時、予想もしていなかった。    二 占いを、信じますか? 「賭け…ですか?」
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