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「はい、賭けです。」
「…ってか、さっきあなた、
『すぐに用は終わります。』
的なこと、言ってなかったですか?」
「それは美月さんが、僕の話に乗ってくれたらのことでした。
こうなったら、少し時間はかかりますよ。」
「ふざけないでください!」
こうした悠馬の物の言い方は、いちいち美月の癪に障るらしい。
「ちょっと失礼な言い方をしてしまいましたね。本当は、そんなに時間はとらないつもりです。
とりあえず、賭けの説明だけでも、聞いてもらえませんか?」
美月は、これ以上断っても、おそらく言うことを聞いてくれない、と判断し、とりあえず説明を聞くことにした。
「ありがとうございます。その、賭けの説明ですが…。
今から、簡単なゲームをして、もし僕がそのゲームに勝ったら、とりあえず1回は、僕に付き合ってください。…付き合うって言うのは、僕と2人でどこかに出かける、つまりデートする、という意味です。でも、もし僕が負けたら…、あなたの前から僕は、姿を消します。
こういうのは、どうでしょうか?」
そう言って悠馬は、賭けに使うと思われる道具をカバンから取り出し、カフェのテーブルの上に置いた。それは、スポンジ上の花びらと、中心部でできている、ひまわりの花を模したものであった。
「今は4月ですから、桜の時期かもしれませんが、これから夏になると、ひまわりの季節がやってきますよね~。」
「前置きはいいから、速くしてください。」
「おっ、引っかかりましたね。ということは、美月さんは賭けに参加する、ということでよろしいですね?」
「…そうは言ってません。とりあえず、説明を聞いてから考えます。」
「まあそう焦らずに。
では今から、賭けの内容を説明します。
ここに、17枚の、ひまわりの花びらがあります。今から順番に、この花びらから、1枚、2枚、もしくは3枚の中で、好きな数だけ、花びらをとっていきます。それで、最後の花びら、1枚をとるハメになったら負け、という、簡単なゲームです。あと、プレーヤーは必ず1枚、2枚、もしくは3枚、花びらをとらなければならず、パスはできません。
どうです、面白いでしょう?
あと、先にどちらからとり始めるかですが…、先手必勝ということで、僕が先攻、ということでよろしいでしょうか?」
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