第1章

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 実際、美月は、国内・海外含め、また友達との旅・一人旅を含め、年に数回旅行に行くほどの旅好きで、その度に土産物を買い、また土産話をしている。その、土産物などの気遣いも、美月の魅力の、1つなのであった。    そして、この日も話の内容は、(美月のイタズラの後)進路のことから、旅のことになった。  「私、進路のことも心配なんだけど、また、現実逃避も兼ねて、旅行に行きたいなあ。」 「そっか、美月は旅好きだもんね。で、美月は今はどこに行きたいの?」 美月の謝りで機嫌を直した真由が、そう美月に訊いた。 「そうだなあ…。今は桜がきれいな時期だし、大阪造幣局の、桜の通り抜けかな。」 実際、4月のこの時期は、桜がとてもきれいで、美月の大学の近くにも、満開の、美月に言わせれば日本を象徴する、桜の花が咲いていた。  「いいね美月!私、そこには行ったことないけど、桜がきれいだって、ネットニュースで読んだことある。大阪はここからだとちょっと遠いけど、私も機会があれば、行ってみたいな。」  「そう、じゃあ一緒に行かない?」 「ごめん美月…私、就活とかで、そんな余裕ないかも。」 「そう、だよね…。美樹は?」 「私も余裕ないかな…。」 ちなみに、美樹はどちらかというと大人しいタイプで、自分から積極的に話す、というよりは、他の人の話を聴くタイプである。  「確かに。私も行けるかどうか、分からないんだけどね。  でも、大阪って、面白いよ!当たり前かもしれないけど、大阪の人はみんな、関西弁をしゃべってるんだ!私、初めて大阪に行った時は、それまでテレビでお笑い芸人の人とかがしゃべってるのしか、聞いたことがなかったから、衝撃的だったな~。」  「それ、分かるかも!『なんでやねん。』とか、普通に使うんだよね?面白いな!」 「そうだね。私もうまくはしゃべれないんだけど、関西弁のイントネーションとか、好きだな。」 この後、3人は、3人にとってはゆかりはない、関西の話で盛り上がった。そして、この日はお開きにしよう、という流れになったが、急に雨が降り出したため、3人はもう少し、カフェに留まって話すことになった。  「ってか、天気予報で雨って、言ってた?」 「ううん。言ってなかったよ。」 真由の問いかけに、美樹が答えた。 「だよね。私も、天気予報はチェックする方なんだけど、言ってなかったよ。
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