第1話:『直感』

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ただ、逢音が心の中でなんと思おうと、三矢がブーブー文句を言おうと、年一回のチャンスにおいて、女子校育ちの女たちの目的といえば男漁りである。(逢音も興味が無いわけではないが、進んで行こうとは思わない) しかし、彼女たちが興味を示すのは、基本イケメンか、カッコイイ男子か、はたまたカワイイ系の男子だけである。 男子も然り。 要は男も女も顔なのだ。 逢音は、二人もしくは三人一組になって西浜生に話しかけている片桐生たちを横目で見ながら、楽器と楽譜とポーチを持って控え室に入った。 本来なら楽器を鳴らすのはよろしくないらしいが、それぞれの顧問が会場側に掛け合ったらしい。 もうすでにセッティングされたヴィオラ席の2プルトの席に座る。 松ヤニ、チューニングという慣れた作業を終わらせ楽器を構えると、昂ぶってた気持ちが落ち着くのを感じた。 まさに緊張がほぐれるという表現がぴったりだ。
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