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俺は荷物を片付け、辺りを見渡す。
この車両には既に俺達以外の乗客は居なかった。
………ラッキー♪
掛けていた眼鏡を外してそっと身を屈める。
「……う……ん??
………えぇっ!?」
重ねた唇の感触に気付いたらしいひかりが目を覚ました。
至近距離の俺に、驚いているらしい。
「おはよ、居眠り姫」
俺は立ち上がって手を差しのべた。
「だーかーらー、『い』は余計だってばっ!」
軽く拗ねながらも差し出した手を取るひかりが可愛いくて、でも照れ臭くてまた眼鏡を掛けた。
ずっとこの手を離さずにいられます様に。
この寝顔を見るのが、俺だけであります様に。
……そう、祈りながら。
[Fin.]
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