春眠、暁を覚えず?

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「大崎さんって、いつも真面目だよね。 講義の間、教授の真っ正面で頷きながらしっかり聞いてるんだもん」 ひかりの左隣で俺の前の席の高田が講義の終了直後に話しかけている。 ひかりはきょとんとした顔で聞いていたが…ゆっくりと苦笑いになる。 そりゃそーだ。 高田は真横だから見えてない様だけど、斜め後ろの俺からはバッチリ見えていたから。 にやり、と笑うと、それに気付いたらしいひかりがてへっ、と照れた様に笑う。 「ひかり、帰ろ」 俺が声を掛けると、高田が意外そうな顔を向けてきた。 ……もしかしてこいつ、ひかりに気があるんじゃね? 「あれ?田端(たばた)ってまさか…大崎さんと友達なの?」 「友達じゃなくて、彼女だから」 高田は、俺の言葉に分かりやすくショックを受けたらしい。 速攻でノックアウト。 危ない危ない。
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