春眠、暁を覚えず?

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「ねぇ、(のぞむ)は気付いてたの?」 「3コマ目ん時の舟漕いでたやつ? そりゃバッチリ見てたし」 乗換駅の連絡通路を歩きながら、ひかりは思い出したかの様に切り出した。 3コマ目は昼食直後。 只でさえ眠くなるのにただ座って講義の90分は確かにキツい。 なのに、度胸がいいのか図太いのか、ひかりは教授の目の前の席の癖に居眠りをしているのである! こっくりこっくり。 最初こそヒヤヒヤしながら見守ってたけど、意外と教授に話しかけられた時にきちんと答えていて、マジすげぇ!と思ったもんだ。 しかもそれは、知らない人からすると真面目に講義を受けている様に見えるらしい。 「真面目の着ぐるみ脱いだら居眠り姫が登場します、って言ったら高田辺りは『詐欺だっ!』って言いそうだな」 俺がしみじみ言うと、 「居眠りのい、は余計よっ!」 ぷぅ、とひかりが膨れっ面になる。 そんな表情も可愛いなぁと思うけど、デレッとした顔にならない様に努めて無表情を意識する。 「で、実際は寝不足? …まさかアレやってたの?」 「うーん…つい、作るのに熱中しちゃってねー……」
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