春眠、暁を覚えず?

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ホームで暫く待った後に来た各駅は、俺達の降りる駅が終点なのでまだ日の高い時間は乗客がぱらぱらしかいない。 「暖かいねー…」 座った途端、またもやひかりの目がとろーん、としている。 「まだ眠いの? 孟浩然(もうこうねん)も真っ青だな」 「春眠…だっけ?いや、あれは夜の話の筈ー…」 答えながらも、もう半分以上は夢の中なんだろう。 しょうがないなぁ。 俺はカバンから母から貰ったウォークマンを取り出した。 超年代物だけど、未だ現役バリバリで音も良い。 CDからダビングしておいた、「9 o'crock(ナイン・オクロック)」の新しいアルバムを聞きながら教科書を読み始めた。 途中駅で特急の追い抜きあるから…着くまで大体30分かな。 隣のひかりは俺に寄っ掛かったまますぅすぅと白川夜船(しらかわよふね)。 あぁ、そーいえば吉本ばななの本にそんなタイトルあったな。 あ、あれは「川」じゃなくて「河」か。 姉ちゃんがそれに感化されてハンモック欲しがってたっけ…。 ……なんてつらつら考えているうちにもう停車駅はあと1つ。
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