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13.エースと四番
甲賀高校は一回戦で遠江姉妹社高校を辛くも撃破してから、続く二回戦で八幡工業と対戦する。
先攻の甲賀高校は、初回から犬走の代わりに一番に入った藤田の内野安打をきっかけに猛攻を浴びせ、4点を先制。
しかし、初先発となった白烏は初回から押し出しで3点を献上。続く二回もフォアボールが絡んで2失点と、序盤で逆転されてしまう。
白烏はここでお役御免。ノーヒットで5点を失う散々なデビューとなった。
それでも、甲賀高校は副島の逆転となる大会2本目となるホームランや滝音の長打、またしても藤田と月掛による小技攻撃などで八幡工業を突き放し、それ以降は白烏をリリーフした藤田の快投で追いつかれることはなかった。
「拓也ー、ナイスピッチング!」
2試合続けて観に来た藤田の母親も上機嫌であった。
初戦、二戦目ともに藤田の活躍が光った。
スタミナ不足さえなければ、強豪校にスカウトされていたであろう実力はやはり本物であった。
甲賀9-5八幡工業
甲賀高校、三回戦進出。
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