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───霧隠才雲。彼は名の通り、霧隠才蔵の子孫にあたる。
霧隠才蔵とは、真田十勇士の主力として服部半蔵らとともに活躍した伊賀者だ。忍者として、服部半蔵の次に人気、実力を有した。走り、太刀、忍術など全てに優れ、総合力では服部半蔵を上回っていたとも言われている。
それでも、霧隠才蔵の評価が服部半蔵を上回ることはなかった。それは大事な時に霧隠才蔵はいなくなってしまうという悪評からなる。
実際、霧隠才蔵は別名、雲隠才蔵と呼ばれていた。いつもどこかで居なくなり、合戦の最初から最後まで活躍したことはなかったのだ。
「霧隠才蔵はまたも雲隠れじゃ」
「雲隠れする才蔵のせいで真田幸村は命を落とした」
そんな噂が江戸には流れていた。
歴史上、霧隠才蔵は実力はありながら、むらのあった忍者として、語り継がれている。主君のために身を呈した服部半蔵とはイメージで大きく差がついたのだった。
だが、何故、霧隠才蔵は合戦や任務の途中で雲隠れしてしまったのか、その理由を知る者はいない。霧隠一族を除いて。
およそ400年の時を経て、人々はこのグラウンドに立つ霧隠才雲から、霧隠才蔵に隠されていた真実を知ることになる。
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