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なんだか急に眠気に襲われて、瞼が重くなり目を開けてられなくなった彼は、彼女に諭されて今まで彼女が眠っていたベッドに横になった。
彼女はその横でまるで夜寝る前に子供に読み聞かせをするように彼との昔話をした。
所々話が違うような気もしたがきっとこの眠さで、きき間違えているだけだろうと気にもとめずにただ彼女の話に耳を傾けながら深い眠りへと落ちていった。
「おやすみなさい。またいつかの春になったら会いましょう」
その言葉はもう彼には聞こえていないことを分かっているのにあえて言葉にする彼女の目にはカサカサの彼ではなくて出会った時の姿の彼が映っていた。
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