1

3/3
前へ
/8ページ
次へ
「やったことがないなら始めればいいだけさ。変わりたいと思うなら、人はいつだって変われるんだよ。」 さあそろそろ説明会に向かおうかと先輩は歩き出した。彼からしてみればなんでもない話だったのかもしれない。ただ、今の私には彼の言葉が深く沁みた。 「あの、先輩!」 「ん?」 「お名前、聞いてもいいですか?」 先輩は笑顔のまま振り向いた。 「熊谷。熊谷祐介。」 この時から自分の中の何かが変わってしまったような気がした。 「あの、熊谷先輩。また、お話しても…いいですか?」 「いつでも歓迎。」 さあ行くよと言って先輩は私の手をとり走り出した。 高鳴る鼓動が鳴りやまなくて、今まで感じたことのない感情に私はただただ戸惑っていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加