夢探偵

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薄暗い台所で料理を作っていると、水に濡れた足音が聞こえてくる。 今は旦那も仕事に出かけ、この家には誰も居ない。 なら、一体誰が。 緊張が走り、料理を作っている手が自然と止まる。 足音は辿々しく、だが、確実にこちらに近づいて来ている。 そして、ソレは遂に台所へと姿を現した。 『ま……ま……』 そういってこちらに近づて来たのは、血まみれで立つ生後1ヶ月程の小さな赤子だった。 「ひっ!」 状況が理解出来ずその場で後ずさりすると、血まみれの赤子はこちらに手を伸ばし、フラフラと近づいてくる。 『マ……ま……』 そういいながら、赤子は血の涙を流し始めた。 「イヤ……来ないで……ごめん……ごめんね、本当にごめん、だから来ないで!」 そう叫ぶと同時に、私はベッドから勢いよく飛び上がった。 又、あの夢。 理解すると同時に体が一気に脱力して行く。 時間を見ると、朝の6時。 旦那が起きる前に食事の用意をしないと。 疲れた体を無理やり起こし、準備を済ませると、口数の少ない旦那を起こして食事を摂らせて、仕事へと送り出す。 余計な会話など存在しない、まるで事務的な作業をこなす日々に、自然と溜息ばかりついてしまう。
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