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「和華ー? 本あったー?」
早苗がひょっこりと顔を出す。そして石化した私を見て首を傾げる。
「どうしたの?」
「あ、いや、この人に本を取ってもらったの」
声が上擦る私を一瞥して、早苗は彼にお礼を言う。
「そうなんだ、ありがとうございます」
「その本は、君が読むの?」
彼は本を指差し私に問い掛ける。「ロリータ」じゃなくて良かった。どちらにせよ、こんな高尚な本は私の頭がびっくりする。
「い、いえ、これはこの子が……!」
私は震える指で早苗を指す。早苗は「そうです彼女、本読まないですから」といらん事を言う。
「ねー? 太宰」
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