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2章 きっかけ。
翌日、
営業マンではあるが、
商品の在庫を確認すべく倉庫の整理を
品質管理の田中さんとしていた。
田中さんはうちの会社の数少ない常識人である。
フォークリフトに乗りながら田中さんは聞いてきた
「よしおくんなんでうちなんかに入ったの?」
工業高校への就活なんて
作業系の仕事を省いたらほぼ皆無である。
「唯一の営業職だったので受けました」
と素直に言うと、
田中が心配そうにこう言った。
「いやね、嫌味とかやめて欲しいとかではないんだけども、よしおくんも気づいてる通りうちの会社変わってるんだよw
数年後役職についてそれなりの給料は貰えるようにはなるだろうけどうちを辞めた後他の会社に行った時スキルは凄い低いと思うんだ。
だからもし悩んでるなら違う職探すのはありだと思うよ、」
やり甲斐のなさは感じていたし、
辞める事も少なからず考えてた。
ただ、次にやりたいことが見つからない以上、
焼肉ただで食べれるし、高卒で30以上もらえるところを辞めるほうがおかしい。
特に焼肉がひっかかる。
「田中さんは職変えたりは考えないんですか」
人に進めるくらいだから考えてはいるはずだ。
でなきゃ、僕にやめて欲しいだけになる。
「おれはね、よしおくん。
嫁も息子もいるだよ。
辞めたいとは常々感じてるけど、
辞めてしまったら家族を養えなくなる。
しかも40過ぎのおっさんだぜ?
どこも採用してくれないよww」
少しホッとしたのと同時に田中さんのことを尊敬し直した。
「そうなんですね、僕も何かきっかけになるような やりたい事見つかれば辞めると思います。」
なんて言ったものの辞めた後にどーなるかなんて考えられない。
車とバイクも実は所持している。
辞めると保険も払えなくなってしまう。
その日は一日中辞めるきっかけを探して終わった。
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