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すれ違い
桜が咲き乱れ、毎年恒例の桜祭りが岡咲市で行われていた頃。
休日出勤を終えて車で帰宅する中、反対車線の道沿いにある結婚式場で、ある女性を見かけた。
(見間違いかもしれない、いや、間違いなく彼女だ!)
そう思いながらも、次の信号でUターンをした。想いを阻むように道は、渋滞という形で行く手を阻む。
ようやく渋滞を抜けて、結婚式場の前で車を停車させたが、彼女の姿はすでになかった。
「堀田美月(ホッタミツキ)・・・」
誰もいない駐車場を見つめながら、僕は呟くように初恋相手の名前を呼んだ。
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