3人が本棚に入れています
本棚に追加
夢は二種類ある。将来を抱く夢。眠ってみる夢。私は眠ってみる夢を楽しみにして睡眠導入剤を飲む。
導入剤の効果が続くのは数時間程度か。その効果が切れかかると共に夢の世界が始まる。
目覚めた瞬間机に向かう。夢を筆に起こそうと構えるのだが思い出すには難がある。机に向かう時間が夢を見ていた時間を超える時、諦めてもう一度眠りにつくことを試みる。
今日二回目の夢の出演者はボランティア仲間の一志と文恵である。私を交え三人で今後のことを考えるため検討会を開いている。二人が私を責め立てる。その場から逃れたくて身をよじると目が覚める。
朦朧とした感覚で机に向かう時、残っている記憶は一志と文恵の存在だけである。私はなぜ責められていたのだろう。曖昧な夢のひと時と目覚めた後の曖昧な夢の記憶が連続しかかると、その記憶が薄れ意識がはっきりしてくる。
まだ夜明け前。責められた理由が知りたくて夢の続きを希望する。
睡眠導入剤の力が必要になる。飲みかけの缶ビールで導入剤を流し込み、夢の続きを楽しみにして眠りにつく。
最初のコメントを投稿しよう!