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夜が明けようとしている。誰かに見つかる前に帰らなければならない。
この景色を目に焼き付けようと立ち上がって辺りを見回すと、白い看板が目に入った。
来たときは全く気付かなかった。
私はその看板に書かれている内容を見て唖然とする。
どうやらこの場所に高層マンションを建築予定らしい。
高層マンションとなればこの桜の木はおそらく切られてしまうだろう。
こんな立派な木を植え替えることは到底できない。私は桜の木の前に立った。
この桜の木はこれからもずっとここにあるものだと思っていた。
それが近い将来無くなろうとしている。いや、そんなことは絶対許さない。
日の出とともに、私はある場所へと歩き出した。
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