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様々な領域で、情報処理がすすみ事態が進展しているようだが、私はあくまで、ある特定の仮想世界の住人を見つめている。
彼は、今、草原の上で寝そべって、空を見つめている。
その彼は、仮想世界の中で作られた仮想世界の住人である。
そんな彼は、我々が所有している人々の記憶と仮想世界の記憶が混在しているというバグの様相を呈している。
また彼はその様々な価値観俯瞰していて、まるで特定の価値観を所持していないようである。ただ、生体反応は正常であり、彼は諸感覚器官からの情報を処理し、味わっているようである。
彼は、瞼を閉じている。どうやら、過去、現在、未来を同時に感じているようだ。
恐らく彼の人生は、ここで終わるのだろう。
しかし、一つの個としての完結は、完了を意味している。
われわれも恐らくとっくに完結した情報処理体なのかもしれない。
しかし、完結したことで永遠にその時の流れという文脈が存在し続けているのかもしれない。
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