微熱花火

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その笑顔があまりにも可愛くて、男なのに狡い、なんて思ってポーっとまた見惚れていたら 頬をむに、と摘まれる。 「な、なんで摘まむんですか!」 「ん? 触り心地良いから」 そういえば前も摘まれたっけ。 「なんか熱くない?お前」 「それは、先輩のせいです」 さっき体温が急上昇してしまったから。 でも、この熱は先輩と気持ちが繋がった証でもある。 こんな熱だったら、ずっと出ててもいいかなぁ。 にまにまと頬が緩みっぱなしになってきた。 「何ニヤニヤしてんの」 「嬉しさが込み上げて来てしまいました」 「あんまり可愛いこと言ってるとキスするよ」 「…………っ」 瞬間、前にした自分の妄想がフラッシュバックする。 うわわわわわわ、無理、無理!! メーター振り切れちゃう! まだされてもいないのに一気に心臓の音が加速する。
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