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微熱花火
今日もカッコイイな、新先輩。
日に透ける茶色い髪、適度に焼けた肌。
クッキリ二重の意志の強そうな瞳。
みんなに優しい王子様的存在。
うちのテニス部のエースだ。
これだけ爽やかイケメンなのにテニスも上手いとかカッコよすぎて、当然ファン多し。
ほぅ、とうっとりした溜息を吐きながらその背中に熱い視線を捧げる。
「ねぇねぇ、花梨てば!聞いてる?人の話」
「あ、ごめん。聞いてなかった。何?」
「もー!
だからぁ、今度の花火大会どうするの?って。結構みんな彼氏と行くとかクラスの男子と行くとか言ってるけど」
「えぇっ、みんなズルイ!どうして友情より男を取るのぉ!?」
「バカね、みんな恋愛したいに決まってんじゃん!」
そりゃそうだ。
分かってるけど、みんなのその行動力も凄い。
「あの花火大会だもんね、そりゃ私だって好きな人と行けたらどんなに……」
新先輩と見つめあって、頭上に大きな打ち上げ花火。
その花火の下で、先輩と初めての……
「きゃーっ!やばい!鼻血出そう!」
「何妄想してんのよ!怖いわ!」
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