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午後の臨時役員会を記録した音声ファイルは、強烈な一言から始まっていた。
『You‘re fired!』
その渋い声は、明らかに会長のものだ。
『会長……』
普段は轟く福島の声が虫の音のようだった。
『専務がお気に入りの言葉のようだな。自分が言われる気分はどうだ?』
『冗談はやめてください』
『冗談だと思うのか?……社員に偽りを言わせようとするなど言語道断。役員として、いや、大人として恥ずかしくはないか?……木村の件だ。心当たりがないとは言わせないぞ』
短い沈黙の後、『……申し訳ありません』と福島が詫びた。
『その言葉は、木村君に言いなさい』
それから会長は、福島を専務から降格して会社としてのけじめをつけるべきだと提案し、役員の承認を得た。
『我が社は、終戦直後からこの街の復興のために努めてきた。それは利益のためではなく、地域を豊かにし、人々に幸せになってもらうためだ』
会長は理念を語り、福利厚生の一環として社内に保育施設を作りたいと夢を語った。
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