鬼のかく乱

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昼休みが終わると疲れた顏の三井が美智の前に立った。 「改めて、退院おめでとう」 「ありがとうございます。三井課長もお疲れのようですね」 「ああ、昨日、臨時役員会が開かれたからね。いろいろあって大変だったよ。例の件もあって珍しく会長まで出席したからね」 「いろいろ?」 美智は首をかしげる。 「みっちゃん、ちょっとこっちに……」 三井が手招きして廊下に誘い、人気のない方へ歩いた。 「ノンちゃんの事や保育所の件だよ。時短のための業務改善委員会なんていうのも作られることになった。福島専務も……、いや、あれはみっちゃんには関係ないな」 「何があったのですか?」 「いや……。業務改善委員会のために残業が増えたら元も子もないからなぁ。場合によってはみっちゃんにも手伝ってもらうよ」 三井は、美智が一番知りたいことを話さない。美智もしつこくは訊かなかった。いずれ分かることだからだ。それよりも、今は業務改善委員会のメンバーに選ばれないようにしなければ……、これ以上仕事が増えては困ると考えた。 「私なんか、絶対、無理です」 訴えるように言った。
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