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観覧車の乗り場に着き、ボックスが降りてくるのを待つ。
どうやらこの観覧車は、ボックスのデザインが全て違うらしい。
「和花菜は乗りたいやつとかあんの?」
「どれも素敵ですけど。いっせいに指指してみます?」
「わかった。決めるわ」
「じゃあ行きますよ、せーの!」
同時に乗りたいボックスを指差した。
結果は。
「違っちゃいましたね、乗りたいやつ」
「和花菜はこれが好きなんだと思って」
「え、私も成宮さんはこの色が好きそうだなって」
お互いが指差したボックスは、相手が好きそうだと思うデザインのものだった。
「ふっ、はは!薄々思ってはいたけどやっぱこうなるか」
「成宮さんここは自分に正直になって良かったんですよ?」
「そっくりそのまま返すわ」
結局早く順番が来る成宮さんが選んだボックスに乗ることに。
「和花菜、手」
「あ、ありがとうございます!」
成宮さんが手を伸ばして私を中に入れてくれる。
その一連の流れが本当に王子様みたいで、呼吸を忘れそうになった。
ボックスは敢えてなのか、少し狭い。
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