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「和花菜、もう治った」
「無理してません?」
「ほんと。それに、この時間帯にちょうど乗りたいやつもあるし」
「もしかして観覧車ですか?」
「そ」
今はちょうど夕暮れ時で、観覧車から眺める景色が本当に綺麗だとパンフレットに載っていた。
そのことをぽろっと車の中で言ったことを覚えていてくれたんだ。
「なかなか見られないですからね、あの場所からの景色」
「じゃ、決まりだな」
ちゃんと顔色もよくなってるし、これなら大丈夫だろう。
ベンチから立ち上がって、隣のエリアに向かった。
「ずっと建物の中にいたから分からなかったですけど、ここから見る空も綺麗ですね」
「ライトアップされ始めて雰囲気出てきたよな」
淡いオレンジの照明に照らされた外国風の建物は情緒があって気分が上がる。
「今度は海外に旅行も行きたいな」
「私、成宮さんが修行していた場所に行きたいです!」
「あー、それもあり」
成宮さんに案内してもらいながらの旅行を想像して、観覧車までの足取りが軽くなった。
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