2271人が本棚に入れています
本棚に追加
「も、いきなりするから」
「続きはまたあとで、な」
「つ、づきがあるんですか」
「期待したような顔、してるくせに」
成宮さんに言われて、カァッと全身が熱くなる。期待してるわけじゃない、そういう意味を込めて睨んでみるも効果がない。
「はは、ごめんって。からかいすぎた」
「もう。マスターに言いつけますよ、成宮さんが意地悪するって」
「それはやめろ。普通に怒られるから俺が」
マスターお前のこと娘みたいに溺愛してるから、と肩を竦めて言う。
「あははっ。私もマスターのことお父さんみたいだなって思うときありますもん」
「敵わないよな、あの人には」
だんだんと地上が近づいてくる。乗り場に着くギリギリまで、今度はふたりで景色を楽しんだ。
「夕飯はどうします?帰りますか?」
「ああ、予約しておいたレストランがあるんだ」
「え?!」
「湖の目の前のレストラン」
「わ、私知らなかった。っていうかだって、そのレストランって予約とるの難しいんじゃ」
多分成宮さんの言う湖の目の前のレストランは、あそこのことだ。
サイトにも当日予約なしじゃ難しいし、予約も早めにしないと席が埋まるって。
最初のコメントを投稿しよう!