【番外編 キャロル】

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「も、いきなりするから」 「続きはまたあとで、な」 「つ、づきがあるんですか」 「期待したような顔、してるくせに」 成宮さんに言われて、カァッと全身が熱くなる。期待してるわけじゃない、そういう意味を込めて睨んでみるも効果がない。 「はは、ごめんって。からかいすぎた」 「もう。マスターに言いつけますよ、成宮さんが意地悪するって」 「それはやめろ。普通に怒られるから俺が」 マスターお前のこと娘みたいに溺愛してるから、と肩を竦めて言う。 「あははっ。私もマスターのことお父さんみたいだなって思うときありますもん」 「敵わないよな、あの人には」 だんだんと地上が近づいてくる。乗り場に着くギリギリまで、今度はふたりで景色を楽しんだ。 「夕飯はどうします?帰りますか?」 「ああ、予約しておいたレストランがあるんだ」 「え?!」 「湖の目の前のレストラン」 「わ、私知らなかった。っていうかだって、そのレストランって予約とるの難しいんじゃ」 多分成宮さんの言う湖の目の前のレストランは、あそこのことだ。 サイトにも当日予約なしじゃ難しいし、予約も早めにしないと席が埋まるって。
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