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メニューが運ばれてくる間、スマホで撮った写真を見ながら一日を振り返る。
あれはもう一回乗りたい、もうちょっと待ち時間が短ければあのアトラクションに乗りたかった、とか。
「お待たせいたしました」
前菜から始まり、スープにメインの料理が次々運ばれてくる。
「ん!このお酒料理に合いますね。さすが成宮さんのチョイス」
「当然」
自信たっぷりに笑う成宮さん。ポーカーフェイスからのその笑顔のギャップに、控えめな黄色い声があちこちから聞こえてきた。
気づいてるんだろうか、この人は。
どの料理も美味しく、あっという間にデザートの段階に。
「成宮さん、デザート持ってきてもらいます?それともほかに食べますか?」
「ちょうどいいしデザートにしよう」
成宮さんは近くの店員さんに声をかけ、デザートを持ってきてもらうことに。
ああ、このデザートを食べたら帰らなきゃいけないのか。
十分楽しんだけど、いつまでもここにいたい、そんな気持ちを抱いてしまう。
少し感傷に浸りかけていた、ら。急に店内の明かりが消えた。
「和花菜様。本日はお誕生日、おめでとうございます!」
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