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「和花菜の気持ちは、なんとなく気づいてた」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
「和花菜はそういうとこあるの、分かってた」
やっぱり。成宮さんに隠そうとするのは至難の業だ。
「あんまはっきり言及すると逆効果かと思って言わないようにしてた」
言った方がよかったか、と眉を下げる。私が勝手にあれこれ深く考えすぎてるだけなのに。
「それで、今日思いっきり甘やかして。このサプライズで笑ってくれればって思ってたけど」
「……っ」
「和花菜、少しでも不安になったらちゃんと言うこと。俺も言うし」
「は、はい」
「その場その場で確かめ合って、解決していこう」
「私も、ちゃんと言います。ごちゃごちゃ考える前に、伝えます」
「いい子」
成宮さんの指が、するりと目元から頬を滑る。
「来年も、再来年も。いつまでだって、こうやって誕生日を一緒に過ごそう」
来年は涙なしで笑って誕生日を過ごそうな、とほほ笑む。
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