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黄杏の懐妊を聞きつけた紅梅は、たくさんの祝い品を連れて屋敷へとやってきた。
「まあ、こんなに?」
「意外と必要な物って、多いのよ。」
そう言いながら、紅梅は大きなお腹を抱えて、椅子に座った。
「それにしても、あなたってちゃっかりしてるわね。」
「私が?」
黄杏は、自分を指さした。
「ええ、そうよ。久しぶりに王が訪れたと思ったら、いつの間にかお子ができてるし。」
「それは、紅梅さんも一緒だと思うのだけど。」
黄杏と紅梅は、顔を見合わせて、笑いあった。
「ところで、私達の産まれてくるお子だけれど。」
お茶をすすりながら、紅梅は大きく息を吸った。
「先に皇子を産んだ方が、国母になるのね。」
黄杏は、目を大きくしながら、紅梅を見つめた。
「……ええ。」
「あら、なんだか他人の話みたいに、感じているようね。」
黄杏は、紅梅にお茶を注いだ。
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