第16章 新しい家族

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第16章 新しい家族

初めての子が産まれ、宮殿は祝賀で賑わいを見せていた。 特に赤子から離れないのは、王である信志で、公務の間も生まれたばかりの明梅の事を、気にしてばかりだった。 「王。ずっと明梅を抱いておられては、公務に差し支えます。」 明梅を連れて、信志の元へやってくる紅梅も、さすがに呆れ返る。 「いいではないか。年をとってから、ようやく生まれた子だからなのか、可愛くて可愛くて、仕方がないのだよ。」 信志はそう言って、また明梅をあやしている。 「王。そろそろ書簡に、お印を頂戴したく存じます。」 時間を見ながら、忠仁が耳元で囁く。 「おお、そんな時間か。」 すると信志は、明梅を母である紅梅に渡すどころか、忠仁に渡そうとしている。 「ほらほら。お爺様だぞ、明梅。」 「おおっと。」 拙い振る舞いで、小さな赤子を抱く忠仁。 「これはまた、紅梅とは逆で、小さな小さな姫君である事。」
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