2/4
前へ
/24ページ
次へ
ハルキとは別れたとはいえ、ずっとヨリを戻したいと連絡があった。コウジと付き合ってからはそれを無視していたが、このことはきちんと話さなければいけないと思い、妊娠したことを伝えた。 別れた理由が、好きな人ができたということから、自分の子供かどうかわからないと言われた。が、あの後病院にも行ってちゃんと検査をして、もう5ヶ月になるし、おおよその予定日まで伝えられた。ただ、病院ではおろすつもりならこんなになるまで放っておいたことをかなり怒られた。そのこと全てをハルキには話し、おろす費用を半分は出してほしいとも伝えた。 でも、ハルキは中々納得してくれず、どうしようもなくて、可愛がってくれていたハルキのママに話すことにした。ママも驚いていたが、最後は「わかりました、振り込むね」と言ってくれた。家庭が厳しいとか厳しくないに関わらず、こんなことはどこの親でも怒ることとわかっていたから、家族に怪しまれないように中絶の書類にサインして、その日を待った。 ほんの数日ではあったが、実際妊娠しているとわかると、辛くもなった。 本当に好きな人の子供が欲しかったとも思った。 手術の日、病室でその時を待っているとハルキが現れた。 最初は「大丈夫か」と気にかけてくれていたが、段々「今ならまだ間に合う、オレの子供産んでくれ」と言い出した。それは無理と答えると、いつものように暴れ出した。寝ている私に靴を投げつけてきた。やっぱりこの人は変わらない、もしこの人と結婚して子供を産んでも子供がかわいそうと思い、その時は何をされても耐えた。 手術は無事に終わった。ハルキと、病院探しに協力してくれた友達が待っていてくれた。経過を診るために何度かは病院に行かなければならなかったが、体調はすぐに普通に戻った。 「中絶した後は妊娠しやすくなるから、望まないならきちんと避妊するように」と最後に看護婦さんに言われた。 かなり学校にも行っていなかったし、4回生で、就職や卒業のために少し焦り始めていた。家族との会話はほとんどなかったが、門限だけは守って、学校もバイトも恋愛も頑張っていた。     
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加