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「警察です。ご同行願いたい」 なんのことかわからず、きょとんとしていると、コウジの名前を確認された。まさか、あのことが...とは思ったが、すぐに警察に連れて行かれた。 クレジットカードがなくなっていて、勝手に使われている気配があると、警察に相談していたらしい。 もうここまで来たら何を言ってもしょうがない、全て認めた。 それからはコウジと知り合ってから別れるまでの7年間、思い出したくないことも1から全部聞かれた。これが、何の役に立つのかと思えることまで。そう、この犯罪に走るきっかけになったともいえる、一番忘れたかったコウジが言った別れ際の言葉まで全部答えた。 「お前は体でも売って一生暮らせば?」 警察に連れて行かれた翌日、兄が来た。ものすごい剣幕と表情で。何を言われても何の反応もできなかった。自分が情けないことをしたのだから。 エツは1度だけ面会に来たが、その時の自分にはエツしか味方がいないと思っていたから、来てくれた時には涙を流していた。ただお金がないから、なかなか来ることはできないとだけ言われた。 そこから20日間拘留され、その間も自分の先が全くわからず     
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