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眠れなかった。食欲は一切なくなった。あんなに好きだったお酒も受け付けなくなった。毎晩続くエツからの無言電話で苦しかった。 病院に行くと、うつ病と診断された。それからは訳がわからないまま睡眠薬と安定剤を飲んで、電話をかけた。 「面接してほしいんですが」 「今日の夜6時にお迎えに行きますね」 欲求満たすためにやって来たバーコードアタマのオヤジ、普段仕事でガチガチに縛られた公務員のオヤジ、嫁にはできないプレイをしてみたいオヤジ、自分は勃たないけど女をいじりまくりたいオヤジ、みんな色んな欲求を持ってやって来る。 最後までやってもやらなくても、病気をうつされても、もらう額は同じ。 誰にも怒られたくない、誰にも縛られたくない。信じられるのは金だけ。どうせやるなら、金が欲しいと思う自分と欲求を満たしたいと思う相手が60分でも90分でもその間は気持ちが一致してた方がいい。 高校生の頃、一生懸命勉強して校内一の成績を取った時より、指名ナンバーワンの今の方が嬉しい。 好きでもなく付き合った相手には私の将来は見えていたかのように言われた通りの人生歩んでる。 ただわかったことは、自分から人を愛したことはなかったということ。 うつ病で、薬飲んでるんじゃない、もぉ人と人の現実なんて見たくない、金という現実しか欲しくない。 今日も客という金が入る電話を待っている。
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