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蒼井先輩と顔を会わす事なんてとてもじゃないけどできそうになかった俺は、欠席と連絡した。
もう忘れたい。思い出したくないのに。
ご丁寧にLINEで当日の写真が送られてきた。
そこには、高校時代と変わらない爽やかな笑顔の蒼井先輩と───
美しく微笑む美香先輩。
そして、大人しく抱かれている、可愛らしい女の子の姿があった。
これが、俺の?
俺と美香先輩の?
自分とその子との共通点を探し始めそうになり、慌てて画面を閉じた。
スマホを壁に勢いよく叩きつける。
「もう、忘れさせてくれよ……」
高校時代の憧れの二人の存在は、今や俺にとって、二度と思い出したくない存在に成り果てていた。
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