憧れの二人

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そして美香先輩に謝る機会もないまま、夏休みが終わった。 ※ 始業式。 生徒会長として挨拶する蒼井先輩。 ぶっちゃけ先生の話より上手い。 みんな真剣に聞き入っている。 何でこんな非の打ちどころのない男と付き合っておきながら…… いや、あるのか。 『良一はダメ。全然よくない』 美香先輩の言葉を思い出し、反射的にベッドでの姿を想像してしまう。 だめだ!!朝から何考えてんだ俺は!!頭を横に振る。 夏休み中もそんな妄想にとらわれていた。 早く謝って、すっきりさせないとな。 休み時間になり、スマホを開く。 ナミから、美香先輩のLINEアカウントを入手していた俺は、早速文面を考える。 コレ聞き出す時、随分怪しまれたなぁ。 「美香先輩に手ぇ出したら許さないからね!」とか言われて。 その時俺はどんな顔してたんだろ。 カツカツと画面をタッチする音が響く。 『今日時間取れますか?この間の事、謝りたくて』 数十分後、既読が付く。 『この間の事って何?良一が心配するからもうLINEしないで』 ……拒否られた。 怒ってるのかやっぱり。 失礼極まりない態度だったもんな……。 俺は再び後悔の念にかられて、モヤモヤした気持ちを抱えたまま新学期一日目を終えることになった。 ───その夜。 俺は夢を見ていた。     
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