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蒼井先輩と、美香先輩がデートしている夢。
様々な季節と場面が交錯している。
花見、祭り、海、映画、ファミレス、遊園地……
そんな中、仲良さそうに寄り添う二人。
まさに理想のカップル。
こうあって欲しいという、俺の勝手な願望。
そんな、ドラマに出てくるような二人を眺める俺を襲ったのは。
今まで抱いた事のない感情。
猛烈な嫉妬、だった。
目を覚まして俺は気がついた。
俺は美香先輩の事を本気で好きになっていた。
今まで近づくことも許されないと思ってたけど、あの日、あんなに近くまで来てくれた美香先輩。
そんな先輩に対して、混乱しながらも、俺はシンパシーを感じたんだと思う。
手の届かない存在なんかじゃない。
ちゃんとしたい。
俺が告白したところで蒼井先輩と別れるとは思えないけど、それでもいい。
付き合えなくてもいい。
ただ気持ちを伝えたい。
次の試合の時がチャンスだ。
いつも蒼井先輩の応援に来てるから、次の試合も見に来るはず。
冬の大会に向けての予選。
その後は例年カラオケで打ち上げする事になっているから、その時に二人で会いたいとLINEしよう。
今さら真面目ぶったところで何になるって話だけど、俺なりの筋を通すつもりで、女とも遊ばず、これまで以上に練習に打ちこみ、試合に備えた。
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